約束を超えた先で、君を待つ。

「月音だって俺の友達だから」

「え?」

「学校の友達なんていつでも会えるけど、月音にはここに来ないと会えないだろ。だから毎日来るよ」

「……」

「それに、松葉杖で遊びに行くよりかここにいる方が俺は楽しいから」

当たり前だろ?と言う陽太くんに、どくんと心臓が高鳴る。じわじわと心が温かくなって、気持ちがふわふわした。

……なんだろう。この感じ。

「月音は何したい? ゲーム? マンガとか読む? あー、スマホゲームとかどう? あれ、月音ってスマホ持ってたっけ?」

「持ってるけど……何の話……?」

「だから夏休み! 一緒に何かやろって話! 俺が毎日ゲーム持ってきてもいいし、マンガ貸してもいいし、スマホゲームなら一緒にオンラインでできるかなーとか思って!」

「な、夏休み……」

そんな急に言われても。夏休みを誰かと一緒に過ごすなんて、入院してから一度もなかったんだから。

ゲーム? マンガ? スマホ?

一体どうしたらいいかわからなくて、固まったまま動けなくなる。陽太くんはそんなわたしを見て

「あー……ごめん、急に言われても困るか」

と頭を掻く。だけど次の瞬間には

「わかった、じゃあ全部やろう!」

と提案してくるから驚いた。

「え!?」

「全部! だって夏休みは一ヶ月あるんだから。ゲームもマンガもスマホも。全部やって楽しもう」

どんどん話を進める陽太くんに、わたしはついていくことができない。だけどすごく嬉しそうに笑っているから、気付けば頷いてしまう。