約束を超えた先で、君を待つ。

「よ、月音。調子どう?」

「うん、なんとか。陽太くんは?」

「俺もなんとか。本当ここに来るといいリハビリになるから助かってる。さんきゅーな」

「お礼言われるようなことは何もしてないけどね」

「いいからいいから。月音はただニコニコしてればいーよ」

「……うるさいなあ、もう」

恥ずかしいからそういうことを言うのはやめてほしい。

松葉杖をベッドの柵に立てかけて、横の丸椅子に座る。

「はぁ、疲れたー!」

すぐにそう叫ぶように両手を上にあげて伸びをするから、呆れて笑えてきてしまった。

「疲れるなら来なきゃいいのに」

「なんだよ素直じゃねぇなあ。本当は嬉しいくせに」

「なっ、だから違うって!」

「ははっ、わかったよ。そういうことにしとく」

陽太くんはいつもの調子でわたしをからかうと、そのまま学校の話を始めてくれた。

「来週から夏休みだから毎日来るからな」

「え……毎日?」

「なんだよ」

「やっぱり陽太くんって、学校に友達いないの?」

「いるって!」

「ならここに入り浸ってないで友達と遊びなよ」

いくらリハビリって言ったって、こんな病院に毎日通うくらいなら友達と遊んだ方が何倍も楽しいだろう。そう思って言ったのに、陽太くんは不満そうな顔をするから首を傾げる。