約束を超えた先で、君を待つ。

病気がわかって入院し始めたころは、早く退院して元気になってまた学校に行きたいと思っていた。だけど、良くならないままいつのまにか小学校の卒業式は終わっていて、ようやく退院できたと思ったら、中学では知らない子達ばかりで友達もできなくて。またすぐに入院になって、結局それ以来ひとりぼっちが怖くて退院しても行けなくて。もう、学校の制服も部屋のクローゼットでほこりを被ってしまっている。

そんなわたしが、勉強なんてして何になる。

結局、そんなひねくれた考えのわたしはただダラダラと毎日を過ごすだけ。こんな姿、あまりに恥ずかしすぎる。だけど、どうしたらいいのかもわからなかった。

「月音ー、来たぞー」

「あ、陽太くんだ」

ドアをノックする音と共に陽太くんの声が聞こえて、お母さんが立ち上がってドアを開ける。

「あ、おばさん。こんにちは」

「こんにちは陽太くん。いつもありがとうね」

「いえ。リハビリにちょうどいいんで。月音、今日は調子どうですか?」

「まだ微熱はあるけど昨日よりは良さそうよ。暇みたいだから話し相手になったあげてくれる? 私、そろそろ仕事に行かなきゃだから」

「はい。お任せください」

「ふふ、じゃあお願いね。月音、お母さん行くからね」

「うん。行ってらっしゃい」

お母さんと陽太くんは、ここ数日で知らぬ間に仲良くなっていた。波長があったのかなんなのかはよくわからないけれど、こうやって顔を合わせるたびに笑顔で会話しておりなんだか楽しそう。

仕事に向かうお母さんを見送ると、陽太くんが病室に入ってきた。