約束を超えた先で、君を待つ。

「じゃあ行こ。でもどこ行くの」

「中庭行こーぜ。天気いいし」

「中庭まで行けるの? 松葉杖のくせに?」

「うるさい。移動くらいできるし多分月音より早く歩ける」

「……なんかムカつく。まぁいいや。じゃあその前にコンビニ行っていい? 炭酸飲みたくて降りてきたの」

「んじゃ俺もなんか飲み物買いに行こうかな」
「うん」

成り行きで、二人でコンビニに向かう。

陽太くんの言う通り、松葉杖をついていてもわたしより陽太くんの方が歩くのは早かった。

「月音、決まった?」

「うん、これにする」

「貸して。奢ったげる」

「え? いいよ。自分で買うから」

「いいからいいから。ほら早く」

「あ……ありがとう」

陽太くんにレモンの炭酸ジュースを渡すと、器用に片手で自分のコーラと一緒に持ちながら松葉杖でレジに向かう。そしてわたしの分を一緒に払ってくれただけでなく、

「じゃあ行こ」

袋に二本入れてもらうと、そのまま陽太くんが持ってくれた。

中庭は病院の五階にあり、どちらかと言えば屋上に近い雰囲気の場所だ。

この病院は本来の建物の他に、入院ができる西病棟と東病棟がある。その二つを繋ぐ大きな渡り廊下のようなもので、人工芝が敷かれていてベンチもあり、外出が難しい入院患者たちの憩いの場になっている。

わたしも散歩がてらよく足を運んでいて、フェンス越しに見える外の世界を眺めながらボーッとするのが好きだったりする。

ベンチは人気で、いつも大体満席だから座れない。だけど今日は偶然誰も座っていないベンチがあったため、わたしたちはそこに座ることにした。