約束を超えた先で、君を待つ。

「陽太くんはもう帰りなよ」

「いや、終わるまで待ってるよ。来たばっかりだし。行ってらー」

「……行ってきます」

ゲームに視線を落としながらもヒラヒラと手を振る陽太くんに、なんとなくわたしも振り返して病室を出た。

「陽太くん、最近よく遊びにきてるんだね」

「暇だからって入り浸っててわたしは困ってるけどね」

「ふふ、でも最近の月音ちゃん、ちょっと顔色良くなったんじゃない?」

「え……そう?」

看護師さんに言われて、手で自分の顔をぺたぺたと触る。自分じゃそんなのよくわからない。

「うん。今日の検査結果も数値良いといいね!」

「うん……」

看護師さんに頷きながら重い足を前に出した。

検査後、本当に陽太くんはまだ病室にいた。

「お、月音。おかえりー」

「ただいま……まだゲームしてるの?」

「うん。月音もやってみる? 前のとはちょっと違うけど」

「いやいいよ。なんか疲れちゃった」

「そっか」

ベッドに戻っていると、陽太くんがゲームをやめてじっとわたしを見つめてくる。

「どうかした?」

「いや。……検査どうだった?」

「どうって。いつもと同じだよ。でも、先生にも顔色いいねって言われたから数値が下がってたらいいなあって」

「そっか。……なぁ、聞いてもいい?」

「なに?」

「……月音って、なんの病気で入院してんの?」

足を持ち上げようとした手が、一瞬止まる。