約束を超えた先で、君を待つ。

それなのに。

「どうしてっ、わたしを置いていっちゃうの! どうしてっ……!」

置いていかないでよ。勝手にいかないでよ。わたしも連れてってよ。わたし、陽太くんがいないとダメなんだよ。顔を上げることも、笑うことも、話すことも、前を向くことも。

陽太くんがいなくなったら、全部できなくなっちゃったんだよ。

生きる意味がわからなくなっちゃったんだよ。頑張る理由が無くなっちゃったんだよ。

「もう、無理だよ……」

絶え間なく流れる涙で、前が見えなくなる。陽太くんに手を伸ばすのもやめて、その場に座り込んだ。……その時。

――ふわり。

何かに包まれていると気付いたのは、少し経ってからだった。

「……月音」

「っ……」

「月音」

「よーた……くんっ……」

その甘い声を、優しい声を、聞き間違えるはずなんてなくて。

わたしを包み込むその腕の力強さを、忘れるはずなんてない。

「月音。……聞いて?」

陽太くんは、わたしを抱きしめたままそう呟いて。

「……諦めちゃダメだよ。月音」

わたしに、残酷な言葉を突き刺すの。

「月音。俺ね、月音が太陽みたいだって言ってくれたの、すっげぇ嬉しかったんだ。人助けだって、妹の代わりに始めた。だけど、いつしかそれが当たり前になってて、身体が自然と動いちゃうんだよ。……ごめんな。こんなに泣かせるくらいなら、人助けなんてしないほうがよかったかもしれないな」

わたしの涙を指で拭う陽太くんと、やっと目が合って。

「でも俺、後悔してない」

「っ……」

「あの男の子を助けたこと、全然後悔してないんだ」

……そのニカっとした笑顔が、今はただただ苦しい。