約束を超えた先で、君を待つ。

だけど、目の前の山本さんは泣き崩れてしまって。

「昨日ね、陽太くんが好きって言ってくれたの。わたしも、同じ気持ちでね? だいすきだよって、言ってくれたの。ほら、このお守りとネックレスもくれたんだよ。可愛いでしょ? だから今日、ネックレスつけてるとこ見せたいの。来てくれるって言ってたの。今から行くって、言ってくれてて。ねぇ、泣かないでよ。山本さん。幸せな話してるんだよ? 泣かないでよ……やめてよ……」

「月音ちゃ……」

ふわりと抱きしめられた身体は、ひどく震えていて。温かいはずなのに、身体の奥底からどんどん冷たくなっていく気がした。

陽太くんじゃない。陽太くんはどこ? いつになったら来てくれるの?

ねぇ、山本さん。泣いてないで教えてよ。陽太くんに早く会いたいの。だから泣かないでよ。

……じゃないと、なんか、よくわかんなくなるの。

もしかしたら、もう陽太くんに会えないんじゃないかって、そんな気がして怖くなるの。

だって、山本さんがこんなにも泣いてて。

さっきやってきたお母さんが、わたしたちの話を聞いてその場に座り込んでしまっていて。

病室の向こうから、バタバタとした走る音がいくつも聞こえてきていて。

そういえばさっき、救急車の音がしてたな、とか。

朝は天気が良かったのに、急に空が曇り始めたな、とか。

手が震えて、身体が震えて、声が震えて、何も動かないとか。

いつもと違うことが、たくさんあって。だけどそれを認めてしまったら、自分がおかしくなってしまいそうで。

……だって、嘘でしょ? 嘘だよ。嘘だよね?