約束を超えた先で、君を待つ。

「公園から飛び出した子どもを助けようとして、それで、車にひかれて……。スピードが出てたのと、男の子を守った時に、打ちどころが悪くて……それでっ……」

山本さんが何を言っているのか、全くわからなかった。

理解できたのは、陽太くんが今この場にいないということだけ。

それなのに、なぜかじわじわと涙が滲む。頭では何もわからないのに、心では何かをわかっているかのように。

……ただ、涙がこぼれ落ちる。

「山本さん。……陽太くん、どうしたの……?」

「月音ちゃんっ……」

「陽太くん、遅いの。さっき学校が終わって、今から行くって言ってたの。それからもう一時間以上経ってて」

「っ……」

陽太くんがこない。いつもならもう来てるのに。どうしていないの? 事故って、なに? それは陽太くんに関係あるの?

「あ、もしかしてまたケガでもしちゃったの? 本当、人助けして自分がケガしてちゃ意味ないって言ったのに」

「月音ちゃん」

「そういえば昨日のポップコーン食べてくれた? あれおいしかったよね。わたし、キャラメルだいすきなの」

「月音ちゃんっ……ごめんね……」

「山本さん、どうしたの? なんで泣いてるの? 陽太くん、多分もうすぐ来てくれるよ? ……ねぇ、山本さん。陽太くん、来るよね? ……ねぇ、来るよね?」

どうして、涙が止まらないのだろう。

口がどんどん動いて、関係ない話をして。

頭が全く働かない。何を喋っているのか、自分でもわからない。