ゴースト・ガード~超人気配信グループは男装女子を溺愛中!?~

「じゃあラスト一曲! 行くぜ、『君はスターライト』!!」
 玲央先輩が右手を上げた瞬間、観客たちはぴたっと口を閉じ、イントロが流れ始めた。

 ――そのとき、嫌な気配がした。
 軽く足を開いて右手を上げ、踊り始めるタイミングを待っていた私は、思わず顔を上げた。
 吹き抜けになっている二階から、ねっとりとした眼差しでこっちを見ている女性客たちは、SEASONのファンなのだろう。
 でも、ただのファンじゃない。

「自分のものにしたい」とか、「私だけを見てほしい」とか……そういう、厄介な感情を持ったファンだ。
 スマホやパソコンの画面越しじゃない、本物《リアル》のSEASONを見て、興奮してしまったのか。
 彼女たちから生まれた強い感情が、黒い淀みとなって噴き上がった。

 黒い霧のような淀みは会場にいる、何百人ものファンたちの感情と共鳴し――巨大な黒い『念』となって襲い掛かってくる!!

 ――うわあっ、最悪っ!! どうしよう!?
 ゲストとして出演している以上、ステージを放り出して邪念を祓いに行くわけにはいかない。
 となれば――難しいけど、踊りながら、なんとか除念するしかないっ!!