ゴースト・ガード~超人気配信グループは男装女子を溺愛中!?~

「春宮くん! 動かないで!」
 春宮くんの背後に複数の黒い影が揺らめくのを見て、私は走り出した。
 走りながら霊力を足に込めてジャンプし、黒い影を思いっきり蹴り飛ばす!!
 春宮くんに取り憑こうとしていた黒い影は、悲鳴を上げて消えた。
 さらに右手からやってきた黒い影を殴り飛ばし、左手からやってきた黒い影は回し蹴りで消滅させた。

「――ふう。危なかった」
 悪霊三体を退治した私は、大きく息を吐いた。

「わあ~。キリヤくん、格好良い~! ゲームに出てきた武闘家みたい~!」
 慧都先輩が目を輝かせて拍手してくれたけど、いまは応じてる場合じゃない!

「みんな、気をつけてください! ヤバいのがきます!」
 トンネルの奥のほうから禍々しい気配がする。
 握った拳や背中に、じっとりと汗がにじんだ。

 ――この気配、私の手には負えないかも……。

「えっ、ヤバいの!? みんな、聞いた!? ヤバいの来るって! 何が来るんだろ! 楽しみだな!」
 玲央先輩は一人だけ嬉しそうな顔をして、スマホのカメラをトンネルの奥に向けた。

 ――ああもうこの人はぁっ!!

 泣きたくなったけれど、玲央先輩には全く見えないし感じていないのだから、仕方ないのだろう。
 白銀くん、いまならあなたの苦労がわかるよ……。