「どうしたの? 元気ないね。体調悪い?」
春宮くんは心配そうに首を傾げた。
動きに合わせて、さらりと、彼の薄い茶髪が揺れる。
「う、ううん、元気だよ。体調が悪いのは――」
――むしろ、大量の『念』に憑かれている春宮くんのほうでは?
と、言いかけた、そのとき。
「春宮くーん! おっはよー!」
クラスメイトの岩清水《いわしみず》さんが、元気に駆け寄ってきた。
長い髪をツインテールにした岩清水さんは春宮くんの大ファンだ。春宮くんがSEASONとして活動し始めた頃から、ずっと彼を推しているらしい。
「おはよう、春宮くん!」
「配信見たよ! 四人のダンス、超~カッコよかった!」
「またフォロワー増えたんじゃない? もうすぐ150万いきそうだよね!」
岩清水さんに負けじと、次々と女子たちが春宮くんを取り囲む。
春宮くんを巡って、互いに無言の火花を散らす女子たちを前に、私はただ黙り込むしかない。
スクールカーストのトップに位置する女子たちの会話に割り込んで「私も春宮くんのダンス見たよ! 実は私もSEASONのファンなの!」なんて言う度胸はありません。
ライバルとして敵視されるのも、嫌だし。
私が石像化している間に、春宮くんは女子集団に連れて行かれる形で、教壇の前へと移動した。
女子たちと楽しそうにおしゃべりしながら、春宮くんは不意に右肩を押さえた。
「どうしたの?」
不思議に思ったらしく、岩清水さんが聞いた。
春宮くんは心配そうに首を傾げた。
動きに合わせて、さらりと、彼の薄い茶髪が揺れる。
「う、ううん、元気だよ。体調が悪いのは――」
――むしろ、大量の『念』に憑かれている春宮くんのほうでは?
と、言いかけた、そのとき。
「春宮くーん! おっはよー!」
クラスメイトの岩清水《いわしみず》さんが、元気に駆け寄ってきた。
長い髪をツインテールにした岩清水さんは春宮くんの大ファンだ。春宮くんがSEASONとして活動し始めた頃から、ずっと彼を推しているらしい。
「おはよう、春宮くん!」
「配信見たよ! 四人のダンス、超~カッコよかった!」
「またフォロワー増えたんじゃない? もうすぐ150万いきそうだよね!」
岩清水さんに負けじと、次々と女子たちが春宮くんを取り囲む。
春宮くんを巡って、互いに無言の火花を散らす女子たちを前に、私はただ黙り込むしかない。
スクールカーストのトップに位置する女子たちの会話に割り込んで「私も春宮くんのダンス見たよ! 実は私もSEASONのファンなの!」なんて言う度胸はありません。
ライバルとして敵視されるのも、嫌だし。
私が石像化している間に、春宮くんは女子集団に連れて行かれる形で、教壇の前へと移動した。
女子たちと楽しそうにおしゃべりしながら、春宮くんは不意に右肩を押さえた。
「どうしたの?」
不思議に思ったらしく、岩清水さんが聞いた。



