1945年、君を迎えに行く。





「志緒とは…知り合いだったのか?」


「シオちゃん…。あのあとウチらも探したんやけど、どこにもおらんくなってしもうたんです。無事におうちに帰れちょっとよかけど…」


「…じゃあやえ子ちゃんたちもあの日、初めて志緒と会ったんだな」


「はい。道に迷うたってゆっちょりました」


「そうか…。引き留めてすまなかった」



やえ子ちゃんは「失礼します」と丁寧にあたまを下げ、仲間たちが待っている離れた場所へと駆けてゆく。


無事に“帰れた”とは、思う。

あのとき落ちた正六面体をしっかりと持って消えたのだから。


あれを俺が持っていたのは、数ヶ月前。


準備を整えて未来へと行こうとした瞬間、敵の砲撃を受けた。

そのとき崖から落としてしまい、そこで眩いほどの光線が視界を覆い、再び目を開いたとき、俺は変わらずここに居た。


正六面体だけはどうしても見当たらず、きっと何らかの異常が生じて消えたのだろうと。



つまり俺は────失敗したんだ。