「志緒とは…知り合いだったのか?」
「シオちゃん…。あのあとウチらも探したんやけど、どこにもおらんくなってしもうたんです。無事におうちに帰れちょっとよかけど…」
「…じゃあやえ子ちゃんたちもあの日、初めて志緒と会ったんだな」
「はい。道に迷うたってゆっちょりました」
「そうか…。引き留めてすまなかった」
やえ子ちゃんは「失礼します」と丁寧にあたまを下げ、仲間たちが待っている離れた場所へと駆けてゆく。
無事に“帰れた”とは、思う。
あのとき落ちた正六面体をしっかりと持って消えたのだから。
あれを俺が持っていたのは、数ヶ月前。
準備を整えて未来へと行こうとした瞬間、敵の砲撃を受けた。
そのとき崖から落としてしまい、そこで眩いほどの光線が視界を覆い、再び目を開いたとき、俺は変わらずここに居た。
正六面体だけはどうしても見当たらず、きっと何らかの異常が生じて消えたのだろうと。
つまり俺は────失敗したんだ。



