「兵士に…なれてたよ、鳥海は」
「…………」
「病気のせいでなれなかったって言ってたけど、兵士のあんたに私は会ってきた」
「…ちがう、その俺は…、別世界の俺だ」
「…え……?」
悔しそうに顔を歪めて、私のまっすぐな目を逸らした。
「平行世界だ、花折」
そこで助け舟を出すように、静かに放ったマッサン。
おまえはそういう話、好きだろう?とでも言うみたいに、あえて軽い空気感で。
「ここにいる鳥海は、きみが確かに会ってきた兵士になれなかった世界線の鳥海 隼人だ。そして君が初めて時空移動をして会った兵士をしていた鳥海は、兵士になれた世界線のオリジナルといったところか」
「オリジナル…?じゃあ、ここにいる鳥海は……?」
オリジナルじゃないっていうの?
偽物とは言えないが、本来あるべき世界にいた鳥海じゃないって?



