「…やさい…ジュース……」
「おや。嫌いだったかい」
「…いや、飲んだこと…なくて」
「それなら飲んでみるといい。甘くて美味しいよ」
ほんとうに初めて目にしたような顔だ。
スマホは現代でいっきに普及されたもので、野菜ジュースは戦後に市販されたとテレビでやっていた。
まあ……飲んだことない人は、いるよね。
「……うまい」
「…一応メインはシフォンケーキだよ、鳥海」
シフォンケーキを口にするより前に飲み干してしまった鳥海は、どこか子供のような柔らかさに変わった。
つられたように笑ってしまった私は、シフォンケーキの弾力と甘さを味わう。
「…!!」
そしてシフォンケーキを一口食べてから、またそいつは初めての反応。
「…そんなにおいしい?感動してるじゃん」
「こんなにも美味いものがあるのか…」
一口、また一口と、それは止まることを知らないみたいだった。
つい「私のも食べる?」なんて差し出してしまいたくなるほど、あっという間にフォークを置いた鳥海。



