1945年、君を迎えに行く。





「鳥海ってさ…、たぶん甘い物好きでしょ」


「………、」


「…黒糖飴とか。好きなんじゃない?」



試したと言われれば、そうだ。

軍服に入れていたくらいなんだから、相当なお気に入りのはず。


しかし予想は外れ。
冷静に首を横に振った同級生がいた。



「俺は黒糖飴はそこまで好きじゃない」


「え」


「渋すぎないか。…そんなもの昭和にしかないだろ」


「昭和…かあ。一応は現代にも売ってるけどね?」


「…………」



おかしな会話。

お互いの揚げ足を取るみたいな、妙な気まずさがあった。



「おまたせしました」



と、いいものとは言えなかった空気を消すように運ばれてくる、お待ちかねの自家製シフォンケーキ。



「飲み物は野菜ジュースでいいかい?ごめんよ、コーヒーや紅茶ばかりでジュースはこれくらいしか用意していなくてね」


「大丈夫です。ありがとうございます」



これも果肉がたっぷり入っていそうな、自家製のものだろう。

にんじんの甘い匂いがふわりと広がった。