「見てて!!これっ、このサイコロを落とすと身体が浮いて昭和20年に………あれっ?」
何度落としてみても、カランッとただ床に落ちて軽く転がるだけ。
フラッシュを焚いたような光が出なければ、異空間のような感覚も秒針音も一切なく。
「元気なら授業に戻ったらどうだ」
「…マッサンなら信じてくれると思ったのに」
「…夢だな。そういうものは夢だと思ったほうが自分のためでもある」
面白くなくて、つい口を尖らせてしまう。
だからあれが夢だったら黒糖飴なんか持ってないんだってば。
昨日も朝も、私は兄弟たちから貰った覚えがない。
ビニールではなく和紙に包まれてる時点でもう、なんか違和感でしょ。
「もし君の話が本当だったとしたら、川で洗濯していた少女たちはおそらく学徒隊だ」
「学徒隊……、聞いたこと…ある」
「…悲惨だぞ、学徒隊も。数日と言われて数ヶ月、兵士の世話を任された挙句…」



