1945年、君を迎えに行く。





これは自分の人生のなかでも不思議な体験になるはずだから、それこそ昨日と違うことをしてやろう。

私は理科準備室には行かなかった。



「おや。花折さんだ!」



休み時間、向かった図書室。
ちゃんと忘れず持ってきた本を片手に。

貸し出しカウンターに座る廣岡先輩は、さっそく持参の漫画から目を離して嬉しそうにした。



「廣岡先輩。本、返しにきました」


「はいは〜い。そうだっ、来月の新刊号が特典つきだって話したっけ!?」


「…聞きました」


「あちゃ〜、話しちゃったか〜!」



うそ。
本当は聞いてない。

なんとなく長くなる予感しかしないから、休み時間を有意義に使うためにもごめんなさい先輩。



「あの、先輩。…前世とかを取り扱った面白い漫画とかって、あります?」



あ、失敗した。

聞かなきゃよかったと、キラリと目を輝かせた先輩を前に怖じ気づく。


今日という日の2回目の休み時間は、意味を見出せないもので終わってしまった。