「どこか顔が青白い。そういうときは甘いものを食べるといいんだ」
……単純に寒すぎるんだってば。
夢のはずなのに温度感覚があるって、意味わかんない。
「おーい鳥海〜、おまえ女学生を口説いてんじゃねーぞー」
「っ、そうじゃない!…キャラメルじゃなくてごめん。もうキャラメルもなかなか買えなくなってしまったから」
半ば強制的に私に押しつけて、鳥海もまた場の悪そうな顔をした。
断ることもできない私は小さく「…どうも」と言って、ジャージのポケットにしまう。
キャラメルも別にそこまで好んで食べないし、施設の妹や弟たちも飴よりアイスのほうが喜ぶ。
「あっ、あの、さ」
「ん?」
呼び止めてしまってから、わずかな後悔。
現実の鳥海より人が良さそうで、柔らかい印象さえ持っている。
普段の独特な生意気感がないから、向き合うことがなぜか苦しい。
「今って…西暦…、いや、元号で言ったら、いつなの」
「……昭和20年だ」



