『うん。明るいよ。空に飛行機が飛んだとしても怯える人間なんか日本にいない。むしろ小さい子は喜ぶくらいだよ』
見てみたかった。
叶うなら君の隣を歩き、そんな世界で笑い合ってみたかった。
欲を言っていいならば、丈夫な身体に生まれ、君が流す涙を器用に拭える男になりたかった。
「────……」
コックピット、ガラス越しに滲んだ光。
朝日がちょうど昇ったのだ。
斜めから差し込んできたまぶしさを、俺は細めることなく感じた。
駆逐艦ヲ発見、駆逐艦ヲ発見。
ザッ、ツツツ、ツ……、
モールス信号を送り、操縦桿をぐっと握り、機体を一気に前方に倒す。
「………、」
諦めと安堵から流れた、涙。
頬を伝ったその一筋が俺のすべてだった。
もう、こんな苦しみも最期なのかと思うと。
いつ出撃命令が下るか分からない恐怖、何度も覚悟を決めたにも関わらず帰還してしまうやり場のないあの感覚。
仲間たちに顔向けできないと、俺は地獄行きだと自分で自分を呪ってしまう支配感。



