1945年、君を迎えに行く。





骨の奥で、音が鳴っている。

少し焼けたようなオイルの匂い、全身にぶつかってくる振動と風斬り音。


ガガガガガガガ……
バララララララララ……


操縦桿をしっかり握り、ここぞという折でラダーをぐっと踏んで高度を上げると、ほんのわずかに音が軽くなった。



『いっしょにっ、いくの…!私…っ、ぜったい鳥海の手を離さないから…!』


『未来に……私と来てくれる?』



君を泣かせてしまっただろうか。
最後まで格好のつかない臆病で弱虫な男だ、俺は。


昨夜は一睡もしていない。

肩にもたれかかって眠る彼女をずっと見つめていた。


こんな機会はもう無いだろうと、最初で最後ならと、眠る志緒にそっと唇を合わせるようなやり方しかできなかった俺は。


一体どこまでズルくて格好が悪いんだろうな。