1945年、君を迎えに行く。





「ッ…!!」



背後から世界が真っ二つに割れる気迫。

迫りくる歪み。
世界の崩壊。


飲み込まれたならもう、私が私として存在した世界は綺麗に幕を閉じるのだろう。


ぐにゃりと自由自在に変形する時空間のなか、私はそれでも屈せず、根気強く走り続ける。



「はあ…っ、はっ…、いけ…ッ」



飛んでいけ。
もっと高く、私のぶんまで、飛んで飛んで。

風間さん、ハルミちゃん、ヤエちゃん。


みんなの思いを乗せて………飛べ。




「飛んで、いけ……っ!!空高くっ、もっともっと…ッ、飛べぇぇぇーーー!!!」




飲み込まれる寸前。
喉から、全身から、叫んだ。

それが鳥海 隼人という人ならば。

あなたらしいと笑うことはできそうだ。


涙は不思議と出なかった。



ゴオオオオオーーーーー!!!!



覇気に満ちた音に変わった隼─はやぶさ─は、出力を上げたエンジン全開で空の彼方へ飛翔していった。




「とり…うみ…っ、────…大好きだよ、」




伝えられなかったこともまた、代償。
弾け飛ぶように消えたサイコロ。

それでもいいと納得できるくらいには。



─────私は心から、彼に恋をしていた。