太陽が沈み、また日が昇る。
ブロロロローーーーーと、重く騒々しい機体音に目が覚めた早朝。
身体にかけられた軍服、隣にいたはずの存在は消えていた。
「あのっ、鳥海は…!!第110隊の鳥海 隼人はどこにいますか…!?」
「第110振武隊なら、すでに出撃態勢にあるぞ」
「………え……?」
お昼だと言っていた。
朝じゃないからゆっくりできると、私に言っていた。
裏道から基地内へとたどり着いたところで、通りかかった兵士は放心状態の私を気にかけることなく、朝日が出る前の東雲を仰ぎ見た。
「ほら……飛んでいった」
頭上から影を落とす一式戦闘機たちを無我夢中に追いかける。
片道分の燃料と大量の爆弾が積まれた何機ものなか、ひとつだけ左右に揺れることなくしっかり飛んでゆく1機があった。
「鳥海……っ」
戦闘機なんかじゃない。
あれは飛行機、……立派な飛行機だ。
林のなかを突っ切って、斜面を滑り落ちるように下って。
彼が乗っているだろう機体を、ただ。



