少し危ない視点でも恐れられている日本という国は。
仲間意識、集団行動、一見すると穏やかな人種が、たちまち「誰かのため」になると自らの命をなげうってまでも兵器に変貌すると。
日本人はなんとも根っからの戦闘種族なことか。
───という、いつかに見た専門家の解説はあながち間違ってはいないと。
「この歴史を乗り越えた先に君が生まれた日本の未来はあり、そこで君は笑っている。だったら…、俺はその“道”になりたい」
その清々しさの裏に隠したものは必ずあるはずだ。
人間なのだから。
細胞だけではなく、個々の自我という感情と欲望で形成された人間なのだから。
ただ、私は。
ここまでの覚悟を見せられたならもう、言いたいことは思い浮かびもしなかった。
「守らせてくれ、志緒。…俺に、君を」
ひとつ、ゆっくりと頷いて。
彼はそんな私の微笑みと涙をやさしく器用に、丁寧にすくった───。



