1945年、君を迎えに行く。





「俺は、自分のために飛ぶ」



ジーーーー。

リリリリリリ……。


草木から虫たちの夜鳴き声が聞こえるなか、小さな口を開いた鳥海。

私の肩をそっと支えるように夜空を見上げていた。



「国のためじゃない。天皇のためでもない。やっと…、やっと見つかったんだ」



星が今にも降ってきそうだ。


皮肉なものだ。

あれを何人もの散っていった特攻兵たちだと思い込んでしまいそうになるのだから。


なんて、強くて儚く、刹那的で────綺麗なんだと。


美徳にはしちゃいけないとあんなにも思っていた私が。



「俺たちが出会ったのは偶然じゃない。きっと…必然だ。君にとって俺は過去、すでに俺たち特攻兵が飛んだ歴史の上に君は生まれた。
その志緒が、ここにいる。なら俺は飛ばずして……どう君を愛そうか」



ふと、顔を隣に向ける。



「…って、そう考えたんだ」



むずかしいことを考えてしまったんだね。
私には難しすぎる。

命を捨てるなんて間違っている、特攻なんか正しくない。