1945年、君を迎えに行く。





燃料漏れ、エンジン故障、悪天候。

つぎ神様が与えてくれそうな幸運を考慮したとき、まず最初に思いつくものは「成功」という名の終わりだった。


そうはさせるものかと抗おうとしたって、なぜか「今度こそは」という覚悟と前提からは逃れられそうにない。



「寒くないか?」


「…うん」



穴場らしい神社に2回目となる足運び。
境内に肩を並べるのも2回目。

思い出したように肩にかけたバッグから鳥海が取り出した、これもまた見慣れたもの。


笹に包まれた握り飯。


若い青年が喜びそうなサイズに作られたおにぎりは、おばちゃんの愛情だ。



「…おばちゃんにお願いしたの?」


「ああ。本当はひとりでここで食べようと思っていたんだ。そしたらちょうど志緒が来てくれた」


「……いらない。鳥海がぜんぶ食べて」


「一緒に食べよう。俺もそのほうが…嬉しい」



聞くしかなくなる。

どんなに食欲がなかったところで、口にもできなかったとて、明日には散っていく命の願いともあれば。

それでいいのか、そんなことでいいのかと、怒りたくもなる。


静かに食べて、静かに手を合わせて。


気を緩めてしまえば壊れそうになる涙腺を、なんとか押し込めた。