「鳥海は、自分の存在価値や存在意味というものに常に執着していた。…それは今も変わらずだ」
「…ちょっと違うと思う。執着っていうか、きっとそうしてないと自分を保てなかったんだよ」
「ああ…そういう捉え方もあるのか。やっぱり君は面白いな」
私に聞こえるか聞こえないか程度でほくそ笑んだマッサンは、外の空気を少し吸ってくると言って席を外した。
一定の心拍音と脈拍が心電図モニターに映し出されるなか、眠る髪にそっと手を伸ばそうとしたとき。
「………し、お、」
「っ…!はや…と…?」
わかる?
私のこと、見える…?
ふるりと揺れる視界と唇をどうにか堪えて、ナースコールを押そうとした私は動きを止めてしまった。
なんとなく隼人はそれを望んでいないような気がして。
「おれ……、ずっと、自分が…わからなかった…」
彼らの共通点は、聞いている側の危機感を煽ってくることだ。
時間がないと確定していながらも具体的な日時は不明。
いつ居なくなるか、いつ消えてしまうか分からない。
だから聞き逃さないように、見逃さないようにと、センサーのようなものを刺激してくる。



