1945年、君を迎えに行く。





「自分は存在してはならない、消えなくてはならない。なにを聞いても何を言っても、そればかりを繰り返していたな」



わかりやすく言うなら口癖のようなものだ。


そう言うことが隼人にとっての防衛本能なんだと思う。

せめてそうやって自分の心を守っていたんじゃないだろうか。


街も、人も、文化も、何もかもが発展している世界でたった1人立たされた隼人にとって。



「だから僕は最初、自殺願望がある人間の深層心理についての研究をしようとしていたんだが。それが知れば知るほど…摩訶不思議で前代未聞なことばかり言ってくるもんだから。そりゃあ、僕のほうが興味を持ってしまったよ」



どちらでもいいと思った。


道端に倒れていようが、歩道橋から飛び降りようとしていようが。

我妻 昌也に拾われた青年はどちらにせよ、幸運だった。


運が唯一、そこだけは味方となってくれたんだ。