1945年、君を迎えに行く。





「僕らは君に嘘をついた」



マッサンが呟くように言ったのは、21時を過ぎた頃。

簡易的なソファーに腰掛けていた彼は少し前までノートパソコンを操作していたが、気づけば窓際で夜景を立ち見ていた。


ベッド脇の丸椅子に地蔵のように座っていた私は、ふと顔を向ける。



「僕と鳥海が初めて出会った日。彼は僕の自宅付近の道端になんか倒れていなかったんだ。こいつは…、歩道橋から飛び降りようとしていた」


「…え?」


「死のうとしていたんだよ」



改めて言われて初めて、言葉の意味が追いついてくる。

こんなことを思ったなんて正直に言えないが、道端に倒れているところを助けたというお決まりのエピソードよりも、たった今説明された内容のほうがしっくりきてしまった。


不本意だけれど、疑いなくすんなりと受け入れることができてしまう。