1945年、君を迎えに行く。





「あの、ここに…いつも通っている高校生はいませんか?」


「え?高校生…?そんな子は君が今日、初めてだよ」


「そう…ですか」


「ここは常連ばかりだからねえ」



唯一の手がかりが無くなった。

これでどうやって見つけ出せばいいかと絶望を感じていると、テーブルにちょうど運ばれたシフォンケーキ。



「あっ、じゃあ、このシフォンケーキをいつも頼むお客さんとか…いませんか」


「……いたよ。けれど彼は病気がちでね、少し前から入院してしまったんだ」


「っ!」


「どうかしたのかい…?おっと、そんなに急いだら詰まらせてしまうよ」



病気がち、入院。

その情報だけで私は、シフォンケーキを野菜ジュースで強引にも流し込む。


もっと味わって食べたかった。

せっかくマスターの奥さんもいるんだから、もっといろんな話を聞きたかった。


でも……、でも。


ここじゃないの、私たちが笑い合っていた世界は。