1945年、君を迎えに行く。





「歪みの調整。どうやら僕たちは甘く見ていたらしい」


「………ゆがみの…ちょうせい…、」


「思い出せ。友人である君が鳥海を消そうとしてどうする」


「っ!トリウミ…、そうだ、鳥海!!先生っ、鳥海のことだけは知ってる…!」



先生の顔色は変わらなかった。

むしろ私がそう言ったことで、もっと険しさが深まった。



「知ってる…?君のなかではその程度になってしまったのか」


「とりうみって……どんな人、だっけ…?」



顔も、性格も、何もかも思い出せない。

記憶のなかに影がかかったように、何かがずっと邪魔をしている。



「この世界のどこかにいるはずだが…、僕は君と笑い合っている18歳の鳥海が好きだったよ」



この人は何かを知っている。


理科準備室、火に炙られたフラスコ、何かを記録しているパソコン。

誰も使う人間なんか居ないんじゃないかと思うソファー。


私はこの景色を知っている。


そしてここに、もうひとり………居た。