1945年、君を迎えに行く。





「それに沖縄は出るって言うらしいし」


「…なにが?」


「……幽霊」


「あんたはそれがいちばん嫌なだけでしょ」



私が譲ってあげた夕食をものの数分で食べ終わってしまった俊太郎に、もっと味わって食べろと愚痴りたくなった。

そして夏休みになり、私はほぼ毎日病院へと向かう。



「いいかげんスマホ持ちなよ隼人。連絡手段がなさすぎて、こうやって足運ぶしかないのキツい」



見てよこの汗だく。

と、エアコン全開の病室でわざとらしく手でパタパタと扇いでやる。



「じゃあそれは持たないほうがいいってことだな」


「……あのねえ」



酸素マスクは外れて点滴だけになり、こんな冗談を言い合えるくらいには本人も回復していた。

現代の医療で対処できないものではなかったようで、私は隼人の顔を見るたびに安心する。


ただ、完治はできない。


そう医者と話しているところを昨日にも陰ながら聞いてしまった。