こんなにも味気ないと思った食事は初めて。
ダメだな……。
ここ最近ずっと考えることが多すぎて、日常生活に意識が回ってなさすぎる。
「シオねーちゃんいらないの?ならオレがもらうっ」
「こら、レオ。そうやって人のものを取らないの。さっきたくさんおかわりしたでしょう」
「えー」
いつかに私が頬を叩いてしまった小学生は、怯えることなく私の隣にやって来てはおかずを狙ってくる。
それは、無いものとなったからだ。
あの後もう1度繰り返した時間で、私は隼人と一緒に新しい消しゴムを買って施設に帰った。
「レオにだけプレゼント」と言って渡した瞬間の嬉しそうな顔は今でも覚えている。
それからは逆に私に懐いたレオは、今もこうして甘えたように寄ってくる。
「シオねーちゃん元気ないの?だったらこれやるよ!」
ポケットから見せてきたものは飴玉だった。
袋に入ったパインアメ。
私が昔から好きだったもの。
「シオねーちゃん好きだろ!」
「…ありがと、レオ」



