簡単な話じゃない。
ありえないことなのだから、ありえない可能性は付き物。
私は結局なにがしたいんだろう。
薬を届けたいから隼人の代わりに動くとか言っていたけれど。
1945年の鳥海に逢いにいく、“私自身の”目的は、一体なんなの…?
『…悔しくは、ないさ。俺がここに残らなければいけない理由がどこかにあったんだろう。それは……俺が、ここに残された俺だからこその』
『俺たちは…到底軍神なんかじゃないな』
『死よりもずっと遠い場所にいる男としたら…いけない』
彼は臆病だ。
臆病で、強くて、勇敢で、やさしい。
─────……死んで欲しくない。
死んではいけない。
国を守るために、敵を食い止めるために、自らの命を爆弾と一緒にするだなんて。
「………、ーーちゃん、……志緒ちゃん!」
「っ!」
「どうしたのボーッとして。みんなとっくに食べ終わっちゃったわよ?」
意識が戻ってくると、そこは施設。
子どもたちはとっくに夕飯を食べ終わり、私だけがテーブルに座っていた。



