1945年、君を迎えに行く。





「私……まだ実感なんか、できてない。これが現実なんだって、わかるようで分かってないよ」


「…それでいいんだと思う。理解なんか、しなくていい」



理解してしまったら疑うことを放棄することになる。


疑いを放棄するとは、たとえ間違っていたとしても「正しい」と思い込んでしまうことだ。

洗脳と言ったら分かりやすいか。


この国は、俺たちは、戦争に洗脳されすぎている。


だからおまえだけは、疑い続けてやってはくれないだろうか。



『っ、日本は…っ、ッ…、アメリカに負けるんだよ……っ!特攻なんてやってる時点で勝てるわけないじゃん…!!』



その通りだと思った。

あのとき志緒は、たとえ俺たちが思っていても口が裂けても言ってはいけない言葉を言ってみせたんだ。


特攻なんてやっている時点で勝てるわけがない───これは俺が毎日と思っていることだった。


余裕がないんだ、もう日本には。

命を犠牲にしたことで0.1%の勝率が上がるとするなら、躊躇わずそちらを選ぶのが我が大日本帝国だ。