1945年、君を迎えに行く。





「ここにいたら…会えるんじゃないかと思って」



たったいま時空を超えてきたかのように、俺に微笑みかける花。


やえ子ちゃん、さっき言ったことは間違っていたから訂正させてくれ。

「会いたいと思って会える子ではない」と言ったが、そんなことはなかった。


俺が会いたいと思ったとき、必ずその子は現れてくれるんだ。


今日のように、俺の前に。



「俺は今日を合わせて2回……生き残ってしまった」



今日、さっきにも飛び、本当であれば空と共に散っていた命。

こうして川のせせらぎに耳を澄ませる時間など、俺には幸せすぎる。



「風間は……飛んだよ。あいつは、大義を全うしたんだ」



せめて志緒のなかではそうあってほしい、と。

風間 当という男は惚れた幼馴染の笑顔のため、空を飛んだことにして欲しいと。


俺の隣に腰掛ける志緒は、顔を伏せながら黙って聞いていた。