1945年、君を迎えに行く。





そこに志緒がいたらと想像し、俺はやっぱりこれでいいんだと納得する。

航空帽に付けていたゴーグルを下ろし、装着。



「おまえと会えてよかったぜ鳥海!将棋の決着は靖国でつけよう」


「…おまえの勝ちでいい」



もう、勝敗などついている。

こればかりは精神論でどうにかできることじゃないと、嫌なほど分かっているというのに。


認めることもまた、勝利ではないのだろうか。



「おいっ!エンジンがかからないぞ…!くそっ、また故障か…!?」



それは、俺が乗ろうとしていた機体だった。

何機目の故障だ…と頭を抱える技術者は、エンジンを止めて長官へと何かを報告しに走り向かう。


戻ってきた技術者は、真っ先に俺のもとへ。



「どうした?」


「すみません、エンジン故障です。本日の出撃は見送りとなりました」


「…………」



すでに仲間たちは乗っているんだ。


こういったトラブルは珍しくはない。

珍しくはないが、自分に当たってくることはまさに運としか言いようがない。


俺は落胆のような、安堵のような、よく分からない気持ちで立ち尽くしてしまった。