1945年、君を迎えに行く。

鳥海side




「やえ子ちゃん。この手紙、頼めるかな」


「…はい。必ず届けます」


「ありがとう」



俺と風間が所属する第44振武隊に、出撃命令が下った。


戦況は日に日に悪化していき、本土を火の海にすることを阻止するせめてもの体当たり作戦。

しかし敵軍は日本の攻撃を分析し、対応し始め、俺たち特攻の命中率は下がっている一方だという。


たとえ空母を1艦沈めたとしてもすでにアメリカは沖縄を支配しつつあるというのに、俺たちの命はどこへ行くのだろうか。


考えたらいけない。
考えてしまったら恐怖が出てくる。

だからそんなことは考えるな、ただ任務遂行のためだけに飛べ───これは先に靖国へと行った、先輩からの言葉だった。



「あのっ、鳥海さん!」



女学生たちもまた、すこし離れた兵舎に寝泊まりをしていた。

朝日を拝む前に飛び立つ特攻兵を見送るためだ。


やえ子ちゃんは兵舎に戻る手前、気まずそうに俺を呼び止めた。