「は……、るみ……、ハルミ…ッ、嫌じゃ、いや、イヤァァァァッッ…!!」
「やえ子ちゃんダメだ…!!まだ危ないッ!!」
「ハルミぃぃぃぃ……っ!!!」
正気を失ったように手を伸ばして飛び出そうとしたヤエちゃんを、背後から力付くでも押さえこむ風間さん。
「伏せろ…ッ!!」
鳥海は私を抱えこむようにして、その場に伏せる。
兵舎も何発かの攻撃を受けて木の破片が飛び、天井から砂がパラパラと落ちてくる。
これは………夢………?
いいや、夢なんかじゃない。
げんじつ、現実、ぜんぶ本当なんだ。
目の前で見せられた残虐も、無慈悲な残酷さも、泥まみれな血も涙も。
こんな時代が、日本に、ほんとうにあった。
そしてそれは今、私の目の前で現実として起きている。
「あぁぁぁ……っ、ハルミ、ごめんねハルミ……、ウチが水なんか頼んだから…っ」
敵軍による襲撃が静まった頃、散り散りになった友人を前に膝をついたヤエちゃん。



