入口にまっすぐまっすぐ。
ちゃぷん、ちゃぷんと、バケツに入った水が跳ねてこぼれる。
私たちが集った三角兵舎に、ハルミちゃんは────届かなかった。
「ハルミちゃん伏せろッッ!!敵襲だ…!!」
私のすぐ横で叫んだ、鳥海。
「………え……」
ダダダダダダダッッ!!!
ガガガガガガ!!!ダダダダッ!!
木が、花が、虫が、土が、跳ねる。
空から降ってきた雨のような弾丸によって、自然の美しさが壊されてゆく。
そのなかにバケツを持った少女の腕が、同じようにして跳ねた。
「あ………」
なんとも呆気なく、赤い血肉と一緒に砕け散る。
腕が千切れて何発もの銃弾が胴体に埋まる屍が、そこにはゴロリと転がっていた。
それはつい今の今まで私のために水を汲んできて、「嫁の貰い手は絶対にいるもん」と笑っていたハルミちゃんだ。
キィィィンと耳を削ぎ落としてくるかのような耳鳴り。



