1945年、君を迎えに行く。





入口にまっすぐまっすぐ。

ちゃぷん、ちゃぷんと、バケツに入った水が跳ねてこぼれる。


私たちが集った三角兵舎に、ハルミちゃんは────届かなかった。



「ハルミちゃん伏せろッッ!!敵襲だ…!!」



私のすぐ横で叫んだ、鳥海。



「………え……」



ダダダダダダダッッ!!!

ガガガガガガ!!!ダダダダッ!!


木が、花が、虫が、土が、跳ねる。


空から降ってきた雨のような弾丸によって、自然の美しさが壊されてゆく。

そのなかにバケツを持った少女の腕が、同じようにして跳ねた。



「あ………」



なんとも呆気なく、赤い血肉と一緒に砕け散る。

腕が千切れて何発もの銃弾が胴体に埋まる屍が、そこにはゴロリと転がっていた。


それはつい今の今まで私のために水を汲んできて、「嫁の貰い手は絶対にいるもん」と笑っていたハルミちゃんだ。


キィィィンと耳を削ぎ落としてくるかのような耳鳴り。