何か言いかけて、景斗さんは間を置いた。そして、言葉を飲み込むように息を吐いた。
「……また、ゆっくり話しましょう」
微笑んだ横顔は、照れたように見えた。
私は何も言えなかった。言えるわけがなかった。
◇
遊園地を出て、私たちは最寄りの駅前へ向かった。
空は暗くなりかけていて、街灯が一つずつ灯り始めていた。
今日が終わってほしくない。そう思いながら、私は歩いていた。
駅が近づくにつれて、私の足が少しずつ遅くなっていく。
景斗さんは気づいていないのか、いつもと同じペースで歩いている。夕暮れに染まった横顔が、前を向いたまま。
今日一日で聞いた言葉が、頭の中に順番によみがえってくる。
ジェットコースターを一人で何度も乗ったこと。銀髪のこと。絵のこと。気を張らなくていい誰かがいる時間。
景斗さんは私に、本音で話してくれた。それなのに私は、最初から最後まで嘘をついていた。
このままじゃダメだ。
ちゃんと話さなきゃ。私は真白じゃないって。



