偽りのお嬢様〜不器用な御曹司は、素顔の私を離さない〜


真白さんは構わず続ける。その目は今まで見たことがないほど、真剣に輝いていた。

「来週末に、蒼空くんの限定ファンミーティングがあるの! サイン会もあって、握手もできて! 小5から応援してる私にとって、絶対に外せないイベントなの!」

「……はあ」

「それなのに……」

真白さんの表情が、曇った。

「家族が勝手に、婚約者候補の西園寺(さいおんじ)景斗(けいと)くんとの顔合わせを、同じ日に入れちゃって……!」

中学生で婚約者候補って、どういう世界……?

その言葉のスケールに、頭がついていかない。

「……景斗さん、って、どんな方なんですか?」

我ながら場違いな質問だと思ったけれど、口から出ていた。