指先が震えて、私はスマホを落としそうになる。
反論したい気持ちと、「そうかもしれない」という気持ちが同時に湧き上がった。
私は資格も何もない、ただのメイクが好きなだけの中学生だ。
芽依ちゃんの声が変わったのも、みずきちゃんの笑顔が戻ったのも、本当に私のメイクのおかげだったんだろうか。それとも、ただの偶然だったのか。
暗い部屋の中で、自分の小さな手をじっと見つめた。
もしかして私……でしゃばりすぎたのかな。
さっきまで魔法の杖に見えていたブラシが、今はただの頼りない木の棒に見えた。
◇
翌日の昼休み。屋上の踊り場に行くと、咲季がコンビニのおにぎりを二つ持って待ち構えていた。
「陽葵、顔が死んでるよ」
「そんなことない」
「ある。朝から全然笑ってないもん。何かあった?」
私は少し迷って、結局話した。
「……SNSに、アンチコメントがたくさん来て」
「どんな?」
「『所詮素人』とか、『顔出ししないのは自信がないから』とか。資格も何もない私が、でしゃばりすぎたのかなって」



