西園寺家の応接室は、如月邸とはまた違う種類の「別世界」だった。
重厚なシャンデリアが天井からぶら下がり、壁には大きな絵画が飾られている。
置かれた家具や飾り物のどれもが、名前すら知らないものばかりだった。
扉を開けると、部屋の奥のソファに、三人の人物がいた。
上品なグレーのスーツを着た年配の男性と、穏やかな笑みを浮かべた女性──おそらく、西園寺家のご両親だろう。
そして、その隣に座っていた男の子が、ゆっくりと立ち上がった。
すらりと背が高く、目元が涼しい。銀に近い色の髪が、室内の光を静かに受けていた。
かっこいい……。
あまりの美しさに、息をのんだ。
それと同時に気になったのは、その表情だった。
端整に整った顔なのに、瞳の奥にどこか諦めたような影がある。この場にいるのに、もっと遠い何かを見ているような目。
ふと、真白さんが言っていた言葉が頭をよぎった。
──何を考えているか、読み取れないの。
「初めまして……如月さん、ですね。以前、どこかのパーティーでお会いしたような気もしますが……なんだか、あのときとは雰囲気が違いますね」
景斗さんの言葉に、心臓が跳ね上がった。
えっ……もしかして、バレた?
背中に冷たい汗が伝う。



