偽りのお嬢様〜不器用な御曹司は、素顔の私を離さない〜


イルミネーションの光が、目の前でゆれている。

きれい……。

「真白さん、今頃どうしてるかな」

あの日、彼女に無茶苦茶な身代わりを頼まれなかったら、私は今も、自分の殻にこもったままだったかもしれない

真白さんになったあの日があったから、景斗くんと出会えた。

シンデレラになった日があったから、本当の自分で胸を張っていられるようになった。

失敗も嘘も全部、今日のこの場所に繋がっていた。

メイクは、嘘をつくためのものじゃない。その人のいいところを見つけて、光を当てるためのもの。

ブラシを持つたびにそう思ってきたけれど、今日ようやく、自分自身にもそれができている気がした。

景斗くんの横顔が、青と白の光の中にある。その隣に私がいる。

ブラシを持たなくても、今の私はちゃんと光っている気がした。

【完】