響け!宝石のカルマート

雨が、トロンペーテの街を濡らしていく。雨とは演劇や小説では、主人公の悲しみを表す際に表現されることが多い。しかし今、この場は「悲しみ」という感情とは一才無縁である

「わぁ〜!来た来た!苺スイーツタワー!」

マーガレット・アンバーが目を輝かせる。今、テーブルの上には苺のショートケーキ、苺のアイスクリーム、苺のワッフルなど苺づくしのスイーツが盛られた皿があった。アントーニョ・セルバンテスとオルハン・フリストウがスイーツの量に固まっている。

「メグ、お前本当にこれ食うのか?」

アントーニョの問いに対し、マーガレットは「もちろん!みんなでね!」と笑う。アントーニョは顔を真っ青にしていた。その様子を普段なら揶揄うオルハンですら、黙り込んでいる。

「あの、食べ切れるんでしょうか……」

カナタが不安げに隣に座るリズ・ポッターに訊ねる。リズは困ったように笑った。

「どうでしょう……。一人では食べ切れませんが、全員で食べれば……」