美人秘書はCEOのお気に入り

そうして、6月の最終の土曜日ワシントン湖を望む裏庭で結婚式が行われた。

広い裏庭の日当たりの良い所に花壇も作られてサンフランシスコの母の庭のようにバラの小道も作って貰った。

そしてプールの近くには四阿もある。バーベキュート炉は作り付けではなくバーベキューセットを何台か買っている時に出して使うようにした。

それらはお庭の手入れ用の道具と一緒に隅に置かれたおしゃれな小屋に入っている。

ここを訪れた人は必ず一度はその小屋を覗きたくなるようだ。”あの小屋は何?”といつも聞かれるのだ。

小人の家のようにとんがり屋根の可愛い小屋なのだ。ナッテイの子供達のお気に入りでもある。

サラはビクトリアのアビゲイルホテルの外観の写真を見せてあとは庭師に任せたのだが、思った以上に可愛い小屋になった。

後は芝生を引き詰めて将来子供達が走り回れるようにしたのだ。

ローランドはヘリポートも作ろうかなあ、などと言っているがサンサンプトンのビィステイモア家程ではないのでヘリポートは諦めてもらうしかない。

サラは由美が保管していてくれた母のウエデイングドレスを着た。

少し胸が窮屈だったのでリメイクしてもらったが他はサイズもぴったりだった。

シンプルなノースリーブでホルターネックのスタイルのドレスはオフホワイトの光沢のある布地で作られていた。

由美の提案でウエストにリボンをつけて後ろで結んでいるテールの部分長くしてトレーンのようにした。

少しエレガントになった体に沿ったシンプルなドレスは背の高いサラによく似あった。

レンタルでいいと言った母に父が絶対サチに似合うように作って貰うんだと言って作らせたらしい。

母は次は由美の番だと言って結婚式後に由美にプレゼントしたそうだ。

「でも、結局出番はなかったけれどね」

と言って,ケラケラ笑ってウインクしていた。

「でも、サラが着てくれるならサチもリッキーも喜んでいるわね。でも見せてあげられなくてそれが一番の心残りだわ」

「空の上からきっと見てくれていると思う」

サラがそう言うと“そうね”と言いながら、ちょっと涙目になっていた。

由美を見てサラも泣き出してしまい二人で抱き合ってしばし両親の思い出に浸っていた。

「サラはきっとローランドの立場があるから身分が違うとかで足踏みすると思って心配していたの。でも案外早くに自分との気持ちに折り合いをつけたのね。強くなったわねサラ」
 
と由美がしんみりとして言った。

「いつも由美が側にいてくれたからよ。ロスに行けば由美に会えると思うだけで、がんばれた。私の第二の母で大好きな姉の由美がいてくれたから…ありがとう由美。これからもよろしくね」

そう言うとサラは目を潤ませて最高に美しく微笑んだ。