美人秘書はCEOのお気に入り

母が亡くなって看護士がサラが持ってきた母の服に着替えさせてくれた時、壮絶な母の体を見て息をのんでいた。

男はどうして肉欲を満たし快感を得るためにこんなに人を痛めつけなければならないのか、男という生き物事態に嫌悪感を持った。

その後サラは男性不信で男性恐怖症気味になってしまった。

その時付き合っていた大学の同級生の男の子と手も繋ぐことができなくなってしまい、彼が近くに来るとおびえて距離を取ろうとしてしまうサラを見て何度も傷つけてしまった。

サラは申し訳なくてそれ以上傷つける前に自分から別れを言い出した。

父を亡くしたサラを気遣って勇気を与えてくれた人だった。サラの淡い初恋の優しい人だったのだ。

両親の非業の死はサラから大切なものを根こそぎ奪って行った。

心を閉じてしまいそうになるサラを励まして、前を向いて自分の人生と向き合いなさいと言って抱きしめてくれたのは叔母の由美だった。

彼女がいなければ由美は大学も卒業できなかっただろう。

母を火葬にして遺灰をもってサンフランシスコに帰り、海の見える墓地にお墓を買って父と母の遺灰を納めた。

墓碑にはMr&Mrs.Fryerとしか書けなかった。

彼らの人生の最期を想うと何と書くのが良いのかサラにはわからなかったのだ。

裏には“二人の娘サラ“と彫ってもらった。由美も一緒にいてくれて

「それでいいのよ。やっと二人一緒になれてそれ以上の言葉は必要ないわ」

と言っていた。

「そうね、やっと二人が一緒に眠れるようになってよかった。パパもずいぶん待ってたのよね。だから最後にママを呼びに来たのよ」

お墓を母の好きだった色とりどりの花で埋め尽くして由美と二人で両親の安らかな眠りを祈った。

サラは母の最期の姿は忘れて家の裏庭で、母が丹精込めて育て上げた花に囲まれて笑っていた美しい笑顔を覚えて居ようと思ったのだった。

そうでないと母が哀れだった。

人生の最期にやさしく微笑んで”リッキー”と嬉しそうに父の名前を呼んだ母の声と、美しい母の姿を思い出の中に閉じ込めた。

そして父に母の面倒を見てねと頼んで、サラは一人で新しい人生に向かって歩き出したのだった。