美人秘書はCEOのお気に入り

そして何とか2社を切り崩して相手が買収してもあまりメリットがないところまで持っていく事が出来た。

ニューヨークではケンドーも対応してくれていた。

2社の全米の各支店も切り離せるところは切り離して業績の良いところだけは残していけるようにも手を回した。

すべて終わったのは1週間後だった。

皆は不眠不休で乗り切ったのだ。

そしてハリーの処遇が一番頭の痛い問題だ。

もっと頭の痛いことにハリーは女を囲っていたのだ。

豊下グループの差し向けたハニートラップに見事に嵌まったという事だ。

ナッテイや双子に2歳の息子も捨てるつもりだったのだろう。

ハリーに家に謹慎と伝えた時にナッテイが気づくと思われたのだが、ハリーはいつものように毎日同じ時間に出かけて行って夜には帰ってくると言う生活を送っていたらしい。

ナッテイは何も知らなかった。

すべての処理が終わった時にボデイガードから報告を受けた。

ローランドはナッテイを訪ねて事の真相をすべて打ち明けた。

女の存在も…ナッテイは驚くほど冷静に事態を受け止めた。

さすがにビィステイモア家の長女だ。

彼女が男だったらきっとローランド以上に総帥として立派にグループを纏めていただろうと、ローランドはいつも思っていたのだ。

ナッテイは冷静にローランドの話を聞いて、ハリーの所為でどれだけビィステイモアグループに損害を与えたのかと心を痛めた。

お金だけの問題ではない。信用を少しでも無くす事が一番怖いのだ。信用を金で買う事はできない。

ビィステイモア家が何代にもわたり築いてきた信頼、ビィステイモアグループとして築いてきた信用なのだ。

自分のバカな夫の為にそれらを1㎜でも損なう事があってはならないのだ。

もうこれ以上ローランドやビィステイモアグループに迷惑を掛けられないとナッテイは決心したようだ。

今日も女の所からもう帰ってくるだろう。

それとももう帰ってこないかどちらかだと思うとナッテイに話していたら、ハリーは真っ青な顔をしていつもより随分早く帰ってきた。

女の方から切られたのかもしれない。もうハリーに利用価値は無くなったのだから…

ローランドがいることですべてナッテイにわかってしまったと気付いたハリーは、ナッテイに縋って泣いた。

ローランドの足元にひれ伏して勘弁してくれと何度も何度も謝ったが、ローランドはそんなに甘い男ではない。