美人秘書はCEOのお気に入り

門の横には警備員の詰め所があるので、そこでタクシーが来るまで待たせてもらう事にした。

「サラさん、先ほどローランド様のお母様ともう一人お客様がお見えになったのですが、ローランド様にご報告しないといけませんので、もう一人の方のお名前を教えていただけますか?」

「私も初めてお目にかかったのだけれど、CEOの婚約者のアンナ様だそうです」

「そうですか。わかりました。ではそのようにご報告いたします」

「はい、お願いします」

サラはタクシーで自宅のアパートに帰って来て、は~っと大きなため息をついた。

ローランドが婚約者のことを何も教えてくれなかったのはショックだった。

そんな事を隠されるほど信頼されていなかったのかと情けなくなった。

そしてサラは自分がローランドに強く惹かれているのを今更に思い知った。

この3年以上仕事で忙しくいつもローランドに追いつくようにいろんなことを勉強してきたのだ。

ローランドはサラが男性不信なのを知っているのでいつもきちんと距離を取ってくれていた。

ローランドなら触れられても嫌悪感がないしむしろ触れられたいと思っている自分がいる。

でも、ローランドの地位を考えたら自分がどうこうなる未来は考えられない。

彼がアンナと結婚したなら自分はローランドの側にはいられない。

それはあまりにも辛すぎる現実だ。

明日から2連休でもう2日有給を取って由美に会いに行こうと決めた。

いつもサラの避難所は由美なのだ。

これを機にロスかサンフランシスコに帰ってもいいかもしれない。

サラは2日間の有休をとることをローランドにラインで知らせて了解をもらった。

明日の朝一番の飛行機でロスに向かおうと決めて、ベッドに入った。眠れない夜を覚悟して…