美人秘書はCEOのお気に入り

サラはローランドとの距離を取ろうと決心した。一線を引かないと、CEOと秘書の距離が近すぎる。

ローランドに言われてCEOから名前呼びににしているがこれも間違いの元なので、きちんとCEOと呼ぶべきなのだ。

サラはニューヨークの総帥の執務室にローランドの替えのシャツやスーツを常備した。

口紅をべったりとシャツにつけていたり、強い香水の残り香にも辟易する。

シャツを着替えてくださいと言ったサラに

”えっ?”と言うローランド

「シャツに先ほどの方の口紅がついています。仕事中と言う事をお忘れなきようにお願いします」

冷たくそう言うとシャツを渡して部屋を出ていくサラの後姿をローランドは唖然として見ていた。

そして今日はこの後ビジネスデイナーなのに、先程訪ねてきた美しい人のリップが唇についていてスーツにも香水の移り香がきつい。

スーツを持ってきて

「これに着替えてください。シャツも着替えた方がいいと思います。両方からぷんぷん匂います」

「えっ?なんの匂い?」

「今帰られたおきれいな元カレの香水の匂いですね。プレイボーイみたいに女性の香水をぷんぷん匂わせている人とご一緒したくないので、着替えてください。それに今日のビジネスデイナーは女性社長です。とても失礼だと思いますよ。他の女性の匂いを纏って女性にお会いするのはエチケット違反ですね。女性社長もとても素敵な方らしいので私は今日はご遠慮します。あっ、唇にも真赤なリップがついていますよ」

流れるようなサラの言葉にローランドは何も言い返せなかった。

サラに渡されたテイッシュで口元を拭くと確かに真っ赤なリップの跡が付いている。

サラはバックをもってさっさと部屋を出て行った。

後の事はボデイガードに頼んで、サラはホテルの予約を取るために携帯を取り出した。

ただの秘書がビィステイモアグループの総帥のペントハウスに泊まっているのもおかしいのだ。

サラはCEOと秘書と言うビジネスの距離に戻るようにしなければと思った。

自分の個人的な恋心は仕事には関係ないのだ。

ローランドから預かっているカードキーでペントハウスの部屋に入り、自分の荷物をもってホテルに移った。